【完全解説】ISO 30414認証:プロセスからメリットまで、全てを学ぶ 総集編

ISO30414認証に関する正しい認識を広めるため、本連載では全10回にわたり、その本質と実践的な情報を徹底解説。ISO規格の分類や認証制度のプロセス、ISO30414の具体的な58指標、「認証」と「保証」の違い、さらには認証取得支援実績を通じた認証取得のプロセスやメリットまで、専門家がその複雑な制度を紐解きます。<連載一覧はこちら

【完全解説】ISO 30414認証:プロセスからメリットまで、全てを学ぶ 総集編

人的資本経営への関心の高まりに伴い、注目を集める「ISO30414」。しかし、その注目度とは裏腹に、世の中には「認証は取得できない」といった誤った情報や、「ISO30414は人的資本に関する指標リストだ」という表面的な理解が広がっているのが現状です。

本連載は、こうした誤解を解き、ISO30414の「規格の本質」から「認証制度の裏側」、そして実務における「具体的な取得プロセス」までを、全10回にわたり体系的に解説した決定版コラムです。

筆者の長年の知識と実務経験に基づき、ISO30414に関する正しい情報をここに凝縮しました。気になったテーマから、ぜひ詳細記事をご覧ください。

第1回:間違いだらけのISO30414

「ISO30414はISO9001と同じ審査機関で取得できる」
「ISO30414は認証取得できない」
「公的なISO機関が存在する」

ネット上に溢れるこれらの情報は、実は大きな間違いです。なぜ多くの専門家までもが誤った情報を発信してしまうのか?巷に流布する3つの典型的な誤解を指摘しながら、ISO認証制度の「本当の仕組み」と、ISO30414認証の正しい実態を明らかにします。

第2回:ISO規格の分類

ISO30414を「よくあるISO認証の一つ」だと思っていませんか?実は、ISO30414は数あるISO規格の中でも、非常にユニークな立ち位置にあり、製造業でおなじみのISO9001などとは、規格としての「立ち位置」が決定的に異なります。

ISO30414を正しく理解するには、いきなり細部を見るのではなく、ISO規格全体の「地図」を広げ、この規格がどこに位置するのかを知ることが最短ルートです。第2回はISO規格の分類を紐解きながら、ISO30414がなぜ「ガイドライン」という特殊な位置づけにあるのか、その理由を解説します。

第3回:ISO30414の規格構成

「ISO30414=11領域58指標(2025年版は69指標)の人的資本に関する指標リスト」だと思っていませんか?

ISO30414に関する多くの解説記事は「11の領域・58の指標」といったリストの紹介に留まりがちですが、それでは木を見て森を見ず、規格の本質を見失ってしまいます。

第3回は規格書の構造そのものに踏み込み、規格のねらいを明らかにします。

第4回:ISO30414の58指標

規格が提示する「58の指標」。一見、計算式通りに数字を埋めれば良いように思えますが、いざ着手すると「研修会場までの交通費は研修費に入れるのか?」といった疑問にぶつかります。実は、この「定義の曖昧さ」と向き合い、自社なりの物差しを決めるプロセスこそが、データドリブン経営への第一歩なのです。

第4回は、ISO30414の58指標を示しつつ、実務担当者が必ず直面する指標算出のリアル、その先に見えてくるISO30414の本質を解説します。

第5回:認証・準拠・参照

ISO30414への関わり方は、必ずしも「認証取得」だけではありません。

第三者のお墨付きを得る「認証」、専門家の支援を受けて適合性を高める「準拠」、独自に活用する「参照」。これら3つのアプローチには、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。

第5回は、 ISO30414への3つの関わり方について、メリット・デメリットを明らかにしつつ、日本国内の動向も踏まえ、貴社が取るべき最適な道筋を照らし出します。

第6回:「認証」と「保証」

ISO30414の「認証」と「保証」。非常によく似た言葉ではありますが、実はこの二つは似て非なる概念です。「認証」と「保証」とでは、コストや手間、そしてステークホルダーからの見え方は大きく異なります。

第6回は、 混同されがちなこの二つの概念の違いから、信頼性のレベルを左右する「合理的保証」と「限定的保証」、さらには新規格「ISO30201」の登場といった一歩先の未来について解説します。

第7回:認証機関の仕組みとISOの枠組み

なぜISO認証は世界中で信頼されるのか?
「認証」を与えている組織は一体何者なのか?
日本の審査で取得した認証が海外でも通用するのはなぜか?

その謎を解く鍵は、ISO認証制度を支える「二層構造」にあります。

第7回は、ISO認証制度の根幹をなす「信頼の仕組み」を解き明かし、「なぜ認証取得がステークホルダーへの信頼の証となるのか」という、もっとも本質的な疑問に答えます。

第8回:認証取得事例、開示事例

実際にISO30414認証を取得しているのはどのような企業なのか?
大企業だけの話ではないのか?

先行企業の事例を紐解くと、単なるコンプライアンス対応ではない、積極的な経営戦略が見えてきます。

第8回は、日本初、業界初、あるいは中小企業初といった具体的な先行企業の認証取得事例を紹介しつつ、ISO30414認証取得のメリットについて解説します。

第9回:認証取得の流れ

実際にISO30414認証を取得するには、どのくらいの期間と手間がかかるのか?

第9回は、準備から審査、さらには認証取得後の継続的な改善活動まで、ISO30414認証取得の具体的なロードマップを解説します。当社がISO30414認証取得をご支援する際の実際のプロセスに基づいた、他では聞けない実践的な内容となっています。

第10回:認証取得のポイント

最終回は、認証取得の審査を確実に突破するための重要ポイントを解説します。

数値が悪くても認証は取れるのか?
全ての指標を網羅すべきか?

形式的なデータ開示を超え、真の人的資本経営を実現するために、担当者が押さえておくべき「6つの重要ポイント」を凝縮してお届けします。

この記事を書いた人

杉江幸一郎

杉江幸一郎

Koichiro SUGIE

ディレクター ISO30414リードコンサルタント

東京大学経済学部経営学科卒。大手メーカー、通信事業者、IT企業など上場事業会社にて経営企画、事業戦略、新規事業立ち上げ等の責任者を歴任。上場企業取締役、CISO および ISO事務局等も担当。

コトラでは、ISO30414を始めとした人的資本経営のコンサルティングに従事。ISO30414リードコンサルタント。ESG情報開示研究会、人的資本経営コンソーシアム、地方創生SDGs官民連携プラットフォーム会員。

コンサルタント紹介

杉江 幸一郎
ディレクター ISO30414リードコンサルタント

東京大学経済学部経営学科卒。大手メーカー、通信事業者、IT企業など上場事業会社にて経営企画、事業戦略、新規事業立ち上げ等の責任者を歴任。上場企業取締役、CISO および ISO事務局等も担当。

コトラでは、ISO30414を始めとした人的資本経営のコンサルティングに従事。ISO30414リードコンサルタント。ESG情報開示研究会、人的資本経営コンソーシアム、地方創生SDGs官民連携プラットフォーム会員。

X(旧Twitter):@Kotora_cnsl


蘇木 亮太
コンサルタント ISO30414リードコンサルタント

同志社大学法学部卒。大手教育系企業でのコンサルタント経験を経て、金融系スタートアップに入社。 組織・人事企画チームに所属し、エンゲージメント向上施策やDE&I推進、研修開発、人事制度運用等を担当。

コトラでは、有価証券報告書・統合報告書における人的資本開示、ISO30414、人事組織コンサル等に従事。ISO30414リードコンサルタント資格/日本ディープラーニング協会G検定保有者。


大西 裕也
コンサルタント ISO30414リードコンサルタント

神戸大学大学院経済学研究科卒。教育経済学を専攻。

コトラでは、ISO30414認証取得支援及び人的資本開示動向のリサーチ、人事データ分析・レポート作成等に従事。

DX推進パスポート(G検定、データサイエンティスト検定、ITパスポート)、一種外務員資格取得者。


サービスについての疑問や質問、
その他お気軽にお問い合わせください!